スワンの馬鹿〜小遣い3万円の恋〜
[第1話]
10/16放送

都内のとある高級ホテルにある会員制プールで、IT企業の若き社長、川瀬(成宮寛貴)が泳いでいた。そのホテルのラウンジで文具メーカーの課長代理、大輔(上川隆也)が部下を伴って、商談相手を待っていた。川瀬とはまるで違い、部下たちにコーヒーをおごるのも一瞬ためらうほどな懐事情のサラリーマンだ。

結局、相手にすっぽかされて帰社すると、大輔が社内投票による「ベスト・ダディ&ベスト・ハズバンド」に5年連続で選ばれたと告げられる。部下たちはお祝いの席を開こうと言うが、行ったら行ったでおごらなければならず、そんな余裕のない大輔はトイレの個室で苦悶。その独り言を隣の個室にいた時田(梶原善)が聞いていた。

大輔が食堂にいると、見知らぬ加茂(劇団ひとり)と時田が近付いてきた。加茂は同じビルにあるカフェの店長代理、時田は同じフロアにある食品会社の係長代理。少ない小遣いで苦労している二人は、大輔が同じ境遇なことを調査済みだった。二人からお見合いパーティーのサクラのバイトに誘われた大輔は、自分には妻子がいるからと言って断る。そこに川瀬が筆頭株主役員とそのアシスタントの絢菜(芦名星)とともに現れた。大輔は絢菜に思わず目を奪われてしまう。だが、その直後、絢菜が非常階段で一人涙しているのを目撃してしまった。

帰宅した大輔は妻の真澄(田中美佐子)から進学塾に空きが出て、娘の理英(美山加恋)を通わせたいから、大輔の小遣いを月5万円から3万円に減らすと言われてしまう。大輔は反論するが、口では真澄に叶わない。さらに、風呂に入っているところに理英からどうしても行きたい中学があるから塾に通わせてほしいと言われ、認めざるを得ない状況に。

結局、大輔は加茂と時田に強引に誘われる形でお見合いパーティーのバイトに参加。時田が気に入ったという女性を見ると、大輔の大学時代の恋人の志摩子(森口瑤子)だった。志摩子は今も独身で女性向けの通販会社の社長をしているという。大輔が結婚したことは人づてに聞いていて、彼の結婚記念日も偶然、自分の誕生日だっただけに覚えていた。それが2日後で、しかも結婚10周年だと気付いた志摩子は大輔に、ジュエリーショップを紹介するからスイート10リングを買えと勧める。

翌日、大輔は志摩子とジュエリーショップへ。志摩子がふざけて、大輔と腕を組むと、そこに偶然絢菜が来ていて、その光景を目撃されてしまう。大輔が帰社すると、絢菜が事務機器の発注で来社していた。大輔のデスクに家族の写真が飾られているのを見た絢菜は、志摩子のことを不倫相手だと勘違い。加茂や時田から女性の噂のネットワークが恐いと忠告された大輔は、志摩子とはやましい関係ではないというメモ用紙に書いて、絢菜に渡せるよう用意しておく。

大輔は指輪を買うと、特典でコンパクトミラーがついてきて、そこにオリジナルメッセージを彫り込んでもらえると知る。メッセージの文面を考えた彼は、それをメモ用紙に書いた。だが翌日、絢菜とショップにそれぞれ違うほうのメモを渡してしまう。

結婚記念日の夜。真澄と理英はお祝いの準備をして、大輔を待っていた。その時、大輔はファックスが紙詰まりしていることに気付く。プリントアウトすると、ジュエリーショップからのメッセージの文面の確認で、大輔はそこで初めてメモを間違えて渡していたことを知って、あ然。そこにバイク便でミラーが届く。大輔が観念していると、真澄が取り出したミラーにはちゃんと彼女宛のメッセージが彫られていた。真澄は喜び、指輪をはめるが、サイズがあってなく、憤慨。これで機嫌を取って小遣いを5万円に戻してもらおうとでも思ったのだろうと図星を突かれ、作戦は失敗してしまう。

翌日、志摩子に会った大輔は、絢菜がメモをショップに届けてくれて、メッセージの彫り直しの手配までしてくれたことを知った。

やがて、大輔は加茂と時田に「小遣い3万円の会」を結成しようと誘われる。その飲み会の席で、酔った大輔は「良き父も、良き夫も、理想の上司も辞める!」と宣言した。そして、その帰り道。3人は川瀬と絢菜が揉めているところに遭遇。絢菜を助けようとした大輔は、はずみで川瀬を殴ってしまう。さらには、よろけた絢菜を抱き留めてしまい…。
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キャスト
諏訪野大輔(すわのだいすけ) / 上川隆也(かみかわたかや)
大手文房具メーカー課長代理。大学時代は水球のスター選手だった。社内人気投票で、職場では良き父、良き夫、良き上司と見られているが、実はそのイメージを守るために必死。10年前に結婚した年上女房の真澄に尻に敷かれている。30代で夢のマイホームを手に入れるが、ローンの返済もキツい。小遣いは月5万円だったが、妻に娘を塾に通わせたいと言われ、月3万円に下げられてしまった。そのことを知った、似た境遇の加茂や時田たちに「3万円の会」に誘われる。
川瀬光充(かわせみつる) / 成宮寛貴(なりみやひろき)
東大在学中に起業して、財を築いたIT企業の社長。大輔の会社のビルの最上階にオフィスを構えている。大輔のあこがれの存在である絢菜(芦名星)とは過去に何か因縁があったらしく、彼女に投資会社のアシスタントの職を斡旋した。ふとしたことから、大輔に殴られてしまって以来、彼のことが気になっている。
加茂健司(かもけんじ) / 劇団ひとり(げきだんひとり)
大輔の会社のビルの1階にあるカフェの店長代理。結婚したばかりだが、セックスレスなことがショック。客の会話から、オフィスビル内の情報をキャッチしている。大輔とは小遣い3万円仲間。
諏訪野真澄(すわのますみ) / 田中美佐子(たなかみさこ)
大輔の会社の元先輩。仕事のデキる営業ウーマンで、将来の幹部候補とまで目されていたが、寿退社して専業主婦に。営業時代からの習性で外面は良く、周囲からは良妻賢母と思われているが、大輔を尻に敷いている。
諏訪野理英(すわのりえ) / 美山加恋(みやまかれん)
大輔と真澄の娘。母親ゆずりの美人で、頭もいい。真澄には何でも話すが、大輔とは距離を置いていて「必要な時だけいてくれればいい」と思っている。
時田秀喜(ときたひでき) / 梶原善(かじはらぜん)
大輔の会社と同じフロアにある食品会社のお客様相談室係長代理。バツイチ。別れた妻と子供に慰謝料や養育費を払っているため、自由になるお金は月3万円。結婚には幻滅しているが、女好き。
香月絢菜(かづきあやな) / 芦名星(あしなほし)
川瀬の会社と取引のある外資系投資会社で、常務のアシスタントを務めている。大輔や時田、加茂らの憧れの的。
黒田比奈子(くろだひなこ) / 前田敦子(まえだあつこ)
加茂の店に突然現れた謎の女子高生。なぜか大輔、加茂や時田らの名刺を持っていて、彼らの品定めをしている。

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