松山ケンイチロングインタビュー。「ドルフィンブルーフジ、もういちど宙(そら)へ」を語る。
(07/17)

「ドルフィンブルーフジ、もういちど宙(そら)へ」では尾びれに障害を持つイルカを世話する獣医・一也役を演じている。イルカとの共演について、当初は「イルカの手触りは、まるでゴム。すごくやさしい目をしていて、一緒にいるだけで癒やされるんだけれど、イルカが本当は何を考えているかなんて分からない。お互いの距離をどう縮めればいいのか不安だった」そう。しかし次第に、「撮影中にストレスでイライラすると、フジがそばにいてくれるんですよ。すると、つい笑顔になっちゃう。ぼくはフジを結構頼ってるな、と気づいたらフジにどんどん近づけるようになった」。この作品では危ういほどまっすぐな青年を演じているが、作品ごとにまったく別の人間になりきる松山ケンイチ。役に没頭しすぎる結果、自分自身の人格が役に影響を受けてしまうという。「下手をすると自分を見失ってしまうので、本来の自分に戻る作業がすごく大切。好きな映画を見たり、誰かに自分のことを話したりして、役を"落とす"ようにしています」。松山ケンイチにとっては彼自身が「世の中で一番分からない」存在であるという。「インタビューを受けるたびに言うことが変わってしまう。でも、そういう自分の矛盾を受け入れられる強さがほしい」。松山ケンイチという俳優の奥深さが見えてくる。
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