不毛地帯
[第4話]
11/05放送

警視庁から任意の出頭要請を受ける壹岐(唐沢寿明)。防衛庁の第2次防FX(=次期主力戦闘機)の受注をめぐり、防衛庁の機密書類の漏洩についての中心人物としてマークされたのだ。

壹岐は里井(岸部一徳)に電話で事情を話すと、里井からは、近畿商事側には機密書類は一切なく、全て、壱岐の部下・小出(松重豊)の独断で押し切るように命じられる。

壹岐の事情聴取の件は、東京商事の鮫島(遠藤憲一)にも伝わった。鮫島は、今回の機密漏えい事件がもみ消されることを恐れたが、防衛庁官房長・貝塚(段田安則)は「検察庁が決定的な物証を得ている」と強気だった。

壹岐は、機密漏えい事件に関して、小出への指示から一切面を否定した。警察側は、経済企画庁長官・久松(伊東四朗)の関与、漏えいした機密書類が川又(柳葉敏郎)のものだったことなど告げられるが、それでも完全否定を貫いた。

ところが近畿商事に戻った壹岐は、状況が180度転換していることに驚かされる。大門(原田芳雄)は里井に「防衛庁から入手した書類をすべて捜査二課に提出するよう」指示を出したのだ。これら一件の収集に久松と自由党幹事長・三島(神山繁)が動いて、検察庁と防衛庁・貝塚官房長を封じたのだ。2次防ではラッキードF104が決まったという。

壹岐は、防衛庁のどこから書類が流れたのかわからないように提出する書類の取捨選択をさせてほしいと頼む。しかし、大門は許可しなかった。

東京商事の鮫島は、第2次防FXがラッキードに貝塚から連絡を受けて激怒した。鮫島は土壇場で貝塚に裏切られたのだ。貝塚は今回の件を見逃せば防衛庁の次官に昇格できるといわれ、自分の昇進のために鮫島を切ったのだった。


川又は防衛庁に辞表を提出し、壹岐の家を訪れていた。川又はもはや自衛隊に自分の居場所はないと告げる。そんな川又に壱岐は頭を下げた。酒を飲み、川又を駅まで見送る壱岐。電車の中から笑顔で壱岐に向って敬礼をする壱岐。川又はそのまま家に帰ったはずだった。

しかし、川又の妻・久代(長野里美)から電話の電話で川又が轢死体となって発見されたことを知る。そして壱岐が身元確認を行った。

壹岐と妻・佳子(和久井映見)は川又の葬儀の手伝いをしていた。そこに貝塚が焼香に訪れる。貝塚は川又を「公務死扱い」にすると言う。そして、もし遺書のようなものが出てきたら処分してくれるように頼んできた。壱岐は怒りに燃えて貝塚に掴みかかるが、そこで桂子に止められる。

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キャスト
壹岐正 / 唐沢寿明(からさわとしあき)
1912年生まれ。陸軍大学校を首席で卒業したエリート軍人である。
第二次大戦中は、軍の最高統帥機関だった大本営の参謀として作戦立案をしていた。
終戦を受け入れない関東軍を説得するため、停戦命令書を携えて満州に向かう先でソ連軍に拘束された。
その後軍事裁判で強制労働25年の刑を宣告、シベリア極北の流刑地ラゾに送られた。
11年間に及ぶ強制労働に耐え昭和31年に帰国。
帰国後近畿商事に入社。
兵頭信一良 / 竹野内豊(たけのうちゆたか)
近畿商事東京支社鉄鋼部勤務。
陸軍士官学校の壹岐の後輩にあたる。
近畿商事の将来を世界的な視点でとらえている。
商社の世界に戸惑う壹岐の、良き理解者となる。
壹岐佳子 / 和久井映見(わくいえみ)
壹岐正の妻。
壹岐の陸軍大学校時代の担当教官であった坂野の娘である。
壹岐のシベリア抑留中は女手ひとつで二人の子供を育てた。
大阪府庁で働いている。
壹岐直子 / 多部未華子(たべみかこ)
壹岐の娘。
佳子の苦労を目の当たりにしてきたため、壹岐に二度と戦争には関わらないでほしい、と懇願した。
父の商社就職を心から喜んでいる。
川又伊佐雄 / 柳葉敏郎(やなぎばとしろう)
防衛庁の空将補で、噂によると次期空幕長らしい。
自衛隊のあり方に疑問を抱いているので、自分が空幕長になって、自衛隊を国民に認められるものに変えたいと考えている。
壹岐とは陸軍士官学校時代からの同期で、親友。壹岐がシベリアに抑留されている間は佳子に仕事を紹介するなど、壹岐家を支えた。

貝塚道生 / 段田安則(だんたやすのり)
防衛庁官房長。
警察出身の元内務省役員。鮫島と手を結び、防衛庁の次期主力戦闘機にグラント社のスーパードラゴンを採用するよう総理派に働きかけている。
芦田国雄 / 古田新太(ふるたあらた)
川又の部下。防衛部の防衛課計画班長。
小出とは防衛庁空幕時代の同僚である。
金と女に目がないが、気の弱い臆病な男。
谷川正治 / 橋爪功(はしづめいさお)
満州関東軍の幕僚。
壹岐ともどもシベリアに送還。
帰国後は、シベリア帰還者と遺族のための組織「朔風会」運営。
竹村勝 / 中丸新将(なかまるしんしょう)

秋津紀武 / 中村敦夫(なかむらあつお)
大陸鉄道司令官、中将。
壹岐とはシベリア抑留中にハバロフスクで再会した。
極東軍事裁判に、ソ連側の証人として出廷することを強要され、一度はそれを受け入れた。

秋津精輝 / 佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)
秋津中将の息子で、千里の兄。
フィリピンで終戦を迎えた。多くの部下を死なせてしまったことに大きな責任を感じ、仏門に入って厳しい修業をしている。
秋津千里 / 小雪(こゆき)
大陸鉄道司令官・秋津中将の娘。
京都に住んでいる。夢は陶芸家である。
壹岐に「父の最期について話を聞かせてほしい」と手紙を送る。
亡き父の面影を感じさせる壹岐に心を惹かれる。
久松清蔵 / 伊東四朗(いとうしろう)
経済企画庁長官。
国防会議のメンバー。国防会議では防衛庁の次期主力戦闘機を決定する。
壹岐とは、戦時中に早期和平工作について議論しあった仲で、旧知の間柄である。
政界や官僚とのつながりがとても広い。
田原秀雄 / 阿部サダヲ(あべさだを)
毎朝新聞政治部記者。
現在は防衛庁の、次期主力戦闘機の機種決定に関連する問題を取材中。
ジャーナリスト魂にあふれる人間。
新聞記者ならではの情報で、鋭い視点で壹岐らに迫る。
浜中紅子 / 天海祐希(あまみゆうき)
クラブ「ル・ボア」経営者の娘。
店でピアノの弾き語りをしている。
情報通で、商社の人間とも交流が深い。
兵頭とは以前からの顔なじみ。
鮫島辰三 / 遠藤憲一(えんどうけんいち)
東京商事航空機部長。
「航空機の東京商事」という実績を築いた人物である。
防衛庁の次期主力戦闘機には、グラント社のスーパードラゴンを推している。
目的のためには手段を選ばない男で、別名「空のギャング」。

大門一三 / 原田芳雄(はらだよしお)
近畿商事代表取締役社長。
開拓精神旺盛で、大局を見極め大胆な施策を打ち出すトップらしさ溢れる人物。
近畿商事の国際化にあたって、壹岐の情報収集力や状況分析力に目をつけ、近畿商事で働かないかと誘う。
里井達也 / 岸部一徳(きしべいっとく)
近畿商事東京支社長。
鉄鋼や航空機を扱う東京支社のトップ。防衛庁の次期主力戦闘機受注を獲得するために、防衛庁の中枢と太いパイプを持つ壹岐を航空機部に異動させればよいと提案する。防衛庁の次期主力戦闘機にラッキード社のF104を推している。
松本晴彦 / 斉木しげる(さいきしげる)

小出宏 / 松重豊(まつしげゆたか)
近畿商事東京支社航空機部に勤務。
防衛庁の次期主力戦闘機受注のために、川又の部下である芦田に接触。
かつては防衛庁の防衛部調査課班長であったが、近畿商事に機密情報を漏らしたことが発覚しかけたのをきっかけに近畿商事に入社という過去を持つ。
自分を拾ってくれた近畿商事に恩義を感じて、実績を挙げようとしている。
海部要 / 梶原善(かじはらぜん)

塙四郎 / 袴田吉彦(はかまだよしひこ)


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