負けない虎!! 鳥谷が放った球団初の延長サヨナラ弾!!

20日に行われた阪神対広島戦｡阪神は鳥谷が11号逆転サヨナラ2ランを放ち､延長の死闘を制した｡
4連勝で貯金を今季最多の13に伸ばし､首位･巨人との0･5ゲーム差をキープした虎軍は､前半戦首位ターンに望みをつないだ｡

鳥谷は狙い球を決めていた｡
3球続けての外角勝負｡上野の外角直球を捉えた瞬間､迷わずバットを振り上げる｡
浜風に乗った打球は左へ流されながら左翼ポール際に飛び込んだ｡
球団史初の延長サヨナラ弾｡

弾むようにダイヤモンドを回る鳥谷を迎えようと､まるで優勝を決めた瞬間のように全員がベンチを飛び出す｡
城島はヘルメットを黒土にたたきつけて大はしゃぎすると､金本はヒーローに抱きついた｡
苦しんでいた選手会長はその喜びを爆発させた｡

｢打った瞬間､行ったと思ったし､本当にうれしかった｡苦しい試合に勝ててよかった｣(サンケイスポーツより)

奇跡の始まりを呼び寄せたのは､2点を追う延長十回､先頭･代打で登場した林だ｡

｢代打だし､自分が一番振れるタイミングで｡2ストライクに追い込まれるとスイングが小さくなる｣(ニッカンスポーツより)

カウント0-1からの上野の外角球を､豪快にはじき返す｡
バックスクリーンを直撃した渾身の一打に｢正直､うれしい｣笑顔で話す林｡
これで､一気に追撃ムードが盛り上がった｡

続く代打関本の中前打で無死一塁となり､これまで不振の鳥谷｡
バントの選択肢もあったが､真弓監督はあえて｢打て｣のサインを出した｡

｢まさかサヨナラとは…｡ずっと(調子を)落としていたみたいやけど､信頼というか､何とかしてくれるんじゃないかとね｣(同)

一発逆転の期待に見事応えた背番号1に指揮官は目を細める｡

チームは負け数が巨人より少ないため､試合終了の時点で勝率を上回り､瞬間首位に立った｡
その17分後､巨人がサヨナラ勝ちし､再び0･5ゲーム差となったが､勢いの差は歴然｡
今季3度目の4連勝で貯金を今季最多の13にした虎は､すでに獲物を追い詰めている｡

(2010年7月21日)

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