大阪個室ビデオ店火災事件、容疑者の勝手な言い訳
(10/03)

東京・秋葉原の歩行者天国や茨城県土浦市で無差別殺傷事件が相次ぐなか、また無差別大量殺人事件が起きた。大阪市浪速区の個室ビデオ店火災事件だ。

15人の命を奪った小川和弘容疑者(46)の動機は「生きていくのが嫌になった。死にたかった」と身勝手で理不尽なものだった。警察庁は「殺人事件としては、被害者の数は過去最悪の規模ではないか」としている。

さて、現場となった個室ビデオだが、元々はアダルトビデオをその場で鑑賞するための風俗店。料金は1時間500円程度の店舗が多いが、最近は深夜の時間帯から朝まで連続利用できるナイトコースがある店舗がスタンダードになっている。

1500〜2000円の低料金で泊まれることから、ホテルやカプセルホテル代わりに使用されるケースが増えている。

「シャワールームもあるし、完全個室だから漫画喫茶やネットカフェよりゆっくり寝られます」というサラリーマンも多い。実際「ホテルがライバル」と露骨にうたう大手チェーンもあるくらいだ。

しかし、風営法では風俗店は深夜営業を認められていない。では、なぜ個室ビデオがオールナイトで営業できるのだろうか――。

個室ビデオ店はアダルトビデオが全ビデオのうち7〜8割を占めていると風営法の規制対象になるが、それ以下なら規制対象外となる。深夜営業をしている個室ビデオ店は、そのグレーゾーンを上手く利用しているわけだ。

くしくも1日、個室ビデオ店にも自動火災報知機設置を義務付ける改正消防法が施行されたが、今回の事件によって風営法での取り締まりも強化されるのは必至。一方、業者側はその網をどうにかして潜り抜けようとするだろう。さて、このイタチごっこの行方はどうなるのか。 (松野)


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