フットボールアワー･後藤輝基がツッコミへのアツい想いと(秘)テクニックを告白!

お笑い芸人に目の肥えた視聴者でも確実に安心して楽しめる芸人は､恐らくさほど多くない｡
明石家さんまやダウンタウン､くりぃむしちゅー､タカアンドトシといったゴールデンタイムに冠番組を複数本持つことが出来るのは芸人界で選ばれしほんの一握り｡

無限のパターンがあるボケに対し､ツッコミは基本的にボケありきのもの｡
見た目やネタのインパクトが強いボケの影に隠れてツッコミ役は名前すら覚えてもらいない､なんて人すら存在する｡
上記に挙げたうち､コンビのダウンタウン･くりぃむしちゅー･タカアンドトシに共通して言える点は､ツッコミのスキルが抜群に秀逸だ｡
ツッコミ役の腕が高ければ､その分多くの番組で起用される可能性が広がる｡

2010年から2011年にかけてブレイクした芸人､ピース･スリムクラブ･楽しんごは､文字通り"テレビで見ない日はない"程､ほぼ毎日何かしらの番組にゲストで登場していた｡
人気が落ち着いた2011年春から夏にかけて､彼らにとって代わって多忙を極めているのが､フットボールアワーのツッコミ･後藤輝基だ｡

在京キー局のレギュラー番組こそ日本テレビ系『眠れぬ街のアプリンス』1本のみだが､とにかく準レギュラー又はゲスト出演の数がずば抜けて多い｡
後藤輝基の場合､相方･岩尾望とのセットでなく､殆どの番組にピンで呼ばれる｡
誰と絡んでも笑いを生んでくれる､と業界内からも高い評価を得た裏返しと考えて良い｡

今年2月には日本テレビ系『芸人報道』にて､｢スマートツッコミコレクション｣たる特集が組まれた｡
同番組内で彼が発した卓越したツッコミの数々をVTRで振り返る内容で､いくつか例を挙げてみると､

○おにぎり(身長193cmの長身芸人)が｢私､顔の大きさの割に耳が小さめです｣とボケたのに対し
→→｢楽屋帰って握り直してこい!｣

○サバンナ･高橋茂雄が元ジャリズム･山下しげのり､おにぎり､カラテカ･入江慎也をまとめて｢僕の左側に強烈な暗雲が立ち込めています｣との発言に乗っかり
→→｢向こうの暗雲､おそらく風に乗ってこのへん大雨になる｣

○番組初登場だったミサイルマン･西代洋の声の大きさに対し
→→｢NGKのキャパ1000人の声やめろ!｣

といった具合にボキャブラリーの豊富さと瞬時の発想力は芸人界でもトップクラス｡
2003年に『M-1グランプリ』優勝後､ここ1～2年でようやくブレイクを迎えた後藤輝基は､ツッコミという役割をどう考えているのだろうか｡
7月12日に放送されたテレビ朝日系『ロンドンハーツ』で､番組スタッフとの飲み会を隠し撮りされ､普段見せない超真面目な彼の本心が窺えた｡

フットボールアワーの場合､ボケの岩尾望が控えめなこともあり､自ずと後藤輝基単独でオファーが来るケースが多い｡
彼も相方･岩尾望がピンで出演する番組は目に止まればチェックして､どんなトークをしているか陰ながら見届けているという｡

"自身のライバル"にはブラックマヨネーズ･小杉竜一の名を出した｡
｢ツッコミは場を抑制する役割｣と考えていた後藤輝基の価値観を壊したのが小杉竜一｡

｢あの人､いっぱい言うてまたそこから派生して(笑いが生まれる)｣
巧みな言葉選びで､ボケに対するツッコミに加えてツッコミ側からもう一笑い生み出す彼を見て後藤輝基は｢言ってええねや｣と刺激を受け､さらに｢ライバルいなきゃ面白くならない｣と心内をさらけ出した｡

彼の代名詞となった"例えツッコミ"は､ほぼ事前の引き出しは無くその場その場で瞬時に閃いたものだといい､万が一ウケが微妙だった時にはすぐ別の言葉を足してスベった空気を薄めるよう心がけているのだとか｡

ただし､多くのバラエティー番組で起こりうるケース､キレイな女優とブサイクな女芸人が並んだ場合には｢共通点肺呼吸だけやろ!｣といった引き出しも一応数個は用意している｡
何か物凄いギャップがある場面用に｢温度差ありすぎて風邪引くわ!｣というツッコミを引き出しに持っていて､ケースバイケースでその派生形を発することも可能なのだそう｡

以前の隠し撮りでも熱く語っていたとおり､自分のツッコミが最大限響くよう｢皆が言い終わってから言う｣心構えは勿論変わっていない｡

『ロンドンハーツ』プロデューサーで後藤輝基のツッコミに対する心内を隠し撮り飲み会の場で引き出した加地倫三氏も言及したように､彼のツッコミはもはやボケの要素すら含んでいる｡
一人でツッコミとボケ両方の役割を担うことが出来るとなれば､ますますコンビではなくピンの仕事が増えそうである｡

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