スペインを初優勝に導いたイニエスタ!! 亡き友に捧ぐ決勝弾〔W杯〕

2010年W杯南アフリカ大会は､日本時間12日未明に決勝戦が行われ､延長戦の末にイニエスタのゴールでスペインが1-0でオランダを下し､念願の初優勝を手にした｡

｢まだ実感がわかないが､少しずつ事の重大さを感じるだろう｡1人1人が素晴らしい仕事をした｡厳しい試合になったが､苦しい戦いの末に､こんな形で優勝を成し遂げられたなんて信じられない｣(スポーツナビより)

膠着(こうちゃく)状態が続いた決勝戦｡
今大会得点王を争うスペインのビジャも､ドイツのスナイデルも決定機をものにできないまま､試合は延長戦にもつれ込む｡

そして迎えた延長戦後半､116分｡

初優勝を懸けた両国の戦いに終止符を打ったのは､スペインのFWイニエスタだった｡

途中出場のセスクから､右サイドでフリーのイニエスタにパスが渡る｡
右足から放たれたボレーシュートは､相手GKを破って､ゴール左に突き刺さった｡

ゴールが決まった瞬間､イニエスタはユニフォームを脱ぎ捨て､喜びを爆発させる｡
カメラに写ったイニエスタのアンダーシャツにはこう書かれていた｡

｢ダニ･ハルケ､いつも僕らとともに｣(同)

ダニ･ハルケ｡元エスパニョルの選手で､昨年26歳の若さで急死したダニエル･ハルケはイニエスタの友人だった｡
試合後､ゴールを決めたらに捧げるつもりだったと話したイニエスタは､

｢これは世界で一番美しい優勝トロフィーだ｣(同)

と述べると､最後に

｢一刻も早くスペインへ戻りたい｣(同)

として､今はなき友人と､その家族へ､悲願の初優勝を報告する瞬間を待ち望む様子だった｡

(2010年7月12日)

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