キイナ〜不可能犯罪捜査官〜
[第1話]
01/21放送

空港で春瀬キイナ(菅野美穂)は遠藤桜(小池栄子)に携帯電話で「彼氏に逃げられたこと」を告白していた。一緒に旅行に行く約束をしていた彼氏にドタキャンされたのだ。なぜわたしは失恋ばかりするのか――キイナは桜に愚痴をいっていた。

一方、新人捜査官・山崎タケル(平岡祐太)は海外研修を終えて日本に帰ってきたキャリア。事件の一報を受けて、係長・雅一馬(沢村一樹)とともに現場へと急行していた。

事件現場の林の中は無数の魚がばらまかれていた。その中でうつ伏せなって死んでいる女性…。変死体だ。周囲で聞き込みをしていた捜査官・津田(金田明夫)と服部(東根作寿英)は「昼食の弁当を食べていたら、急に空が暗くなり、いきなり空から魚が降ってきた」という第一発見者の証言聞き、頭を傾げていた。

そこに突然、旅行カバンをガラガラと引きずりながら女性が現れた――女性捜査官・キイナだ。キイナは傷だらけの魚を見ると、「これらの魚は竜巻によって、海から運ばれ、空から降った」と言い切る。さらに、死体を確認しながら女性の死因を推理していく。

署に戻ると、タケルは特別班、通称「ベッパン」に配属するよう指示される。「ベッパン」とは不可解な事件ばかりを捜査する特別班だ。班といっても、捜査官はキイナただひとりという部署だった。捜査の第一線で活躍したかったタケルはため息をつく…。

そんななか、情報管理担当の桜(小池栄子)から「夢で殺人現場を見たという女性が来ている」との連絡を受け、キイナとタケルは話を聞くことになった。

女性の名は幸田絢香(白石美帆)。半年前に心臓移植手術を受けてから、“心臓の提供者が突き落とされる夢”を何度も見るという。絢香は「犯人を捕まえて欲しい!」とキイナ達に懇願した。

手がかりが少ないなか、キイナは絢香の頭に浮かんだ“公園の絵”をたよりに調査を開始した。3つ目の公園のそばに来たとき、綾香は「この階段、見覚えがある」と言い出し、階段を上り始める。階段を上りきった所には公園があり、その公園はまさに綾香の描いた絵そっくりだった。綾香はおもむろに砂場で遊ぶ父親と子どもの前に歩いていくと、子どもの前にしゃがんで、親子しか知らない“合図”を交わす…。その男の子は綾香に「…お母さん?」とたずねた。

男の子のお母さんは病気で入院をしていたが、病室の窓から転落し、死亡したのだという。
ドナー登録をしていた男の子の母親の心臓は“たまたま同じ病院で心臓移植を待っていた”綾香に移植されたという…。

捜査を進めるうち、キイナは心臓移植手術を行った医師が犯人じゃないかと疑うようになる。しかし医師には決定的なアリバイがあった。

転落した女性の遺留品には第三者の血痕が付着していた。当時、事件を担当していた雅も医師が怪しいと疑ったが、医師は雅の目の前で静脈から血液を採取し血液鑑定を受ける。しかし、残された血痕と医師の血液型が一致しなかったのだ。その結果、医師は“シロ”と判断され、転落は自殺と結論付けられたのだった。

桜のアドバイスで、キイナの元彼である科学捜査研究所技官の工藤真一郎(塚地武雅)に、遺留品に残っていた血痕の再鑑定をお願いする。しかし、細かく再鑑定したものの、やはり遺留品に残っていた血痕と医師の血液型は一致しなかった…。

それでも納得できないキイナは、医師に関する山ほどの書籍を集めると一気に目を通し始める。キイナには“瞬間記憶能力”があり、まるで機械がスキャンをするように瞬間的に物事を記憶する能力を持っていた。膨大な資料にすべて目を通したキイナは、まるで倒れこむように机にうつ伏せて眠ってしまう…。

資料から得た殺人事件の可能性を力説するキイナだったが、雅は「遺留品の血痕と医師の血液が一致しない限り、医師の“シロ”は揺るがない」と吐き棄てた。

そのとき、キイナの携帯に工藤から電話が…。工藤は再検査を依頼されたときに感じた疑問を、キイナに投げかけた。「血液鑑定なんて、通常、指の先からほんのわずかの血液を採取すればいいだけだ。髪の毛や爪からだって採取ができる。それなのになぜ、医師はわざわざ腕の動脈から血液採取をさせたのだろうか…」と。

工藤の言葉を聞いたキイナは、大量の資料の中にあった“小さな記事”のことを思い出し、タケルと一緒に医師の元へ急行する…。

突然、キイナは医師の顔面を殴りつけ、医師の鼻血を白いハンカチに採取すると、「この血痕を血液鑑定させていだきます」といった。キイナは膨大な資料の中から、医師の使ったトリックを見破ったのだ。医師は、完全な身の潔白を証明するために、他人の血液が入った医療用チューブを腕に埋め込み、雅の前でその血液を採取させたのだ。

こうしてまたひとつ、不可能犯罪がキイナの手によって解決されたのだった…。

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01/21 第1話

キャスト
春瀬キイナ / 菅野美穂(かんのみほ)
警視庁捜査一課強行犯係の中で特別班に所属している捜査官。
捜査においては被害者の思いを大事にしており、その思いが不可能犯罪を解決する糸口につながることが多い。
事件に対するひらめきに関しては誰にも負けない自信を持っている。
新人刑事の尊とは事件捜査の相棒として動いている。
山崎尊 / 平岡祐太(ひらおかゆうた)
新人刑事でありながら捜査一課のエリート街道まっしぐらな男。特別班に所属していることから不可解な事件を任されることが多く、表には出さないもののかなりビビッているというのが本心。
相棒のキイナの才能は認めており、口には出さないが絶対的な信頼を置いている。
工藤真一郎 / 塚地武雅(つかじむが)
科学捜査研究所で技官として働く男。
その外見の特長は“メタボ”といえば完璧に説明できる。
しかし、キイナの元恋人という有り得ない過去を持ち、別れてからも仕事柄関係のある真一郎は陰ながらキイナのことを応援している。
遠藤桜 / 小池栄子(こいけえいこ)
警視庁捜査一課強行犯係に所属しており、情報管理を担当している。
根っからのアネゴ肌で、同期で親友のキイナの悩みを何でも受け止めてあげる優しい女性。
もちろん情報管理の技術も他に負けないものがある。
御手洗修司 / 草刈正雄(くさかりまさお)
警視庁捜査一課強行犯係で管理官を務めている男。
キイナの才能をいち早く見つけたのもこの男である。
現在は直接捜査に関わることはしないが、実は元刑事であり、
事件に対する捜査は誰よりも優秀だとか。
雅一馬 / 沢村一樹(さわむらいっき)
警視庁捜査一課強行犯係で係長を務めている男。
足を使った捜査で事件を解決に導くことが多い。
キイナの直属の上司にあたり、キイナの奇抜な行動が少し迷惑だと思っている。
捜査一課でエースとして活躍している一馬だが、実は過去のある事件がトラウマとして残っており…。

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