ヴォイス〜命なき者の声〜
[第9話]
03/09放送

『四つの祈り』の著者で有名な作家・桜井真也(田村亮)が、亮介(生田斗真)の実家の病院に入院した。桜井は末期の大腸がんだったが、入院後は容態が安定、「今年一年は持ちそうだ」というほど調子が良くなっていた。
桜井の様子を見た亮介の父・石末院長(名高達郎)は「一時帰宅もできるだろう」と家族に説明をする…。

ある日、解剖室に新たな遺体が運ばれてきた。遺体は、清掃会社社長・宇野慧(平賀雅臣)。
解剖では骨折の跡から、転落が死亡の原因だと判明する。
大己(瑛太)は宇野慧の左腕に、腕時計で付いた日焼け跡を見つけた。しかし現場の遺留品に腕時計はない…。

その後の警察の調査で、命綱の不具合が見つからなかった。
佐川教授(時任三郎)は事故以外の可能性も疑い、蕪木(泉谷しげる)に血液検査の分析を依頼する。

ベテラン作業員の宇野の作業中の落下に疑問を感じた大己は、久保秋(石原さとみ)と一緒に自殺現場のビルに行ってみた。すると、その日に宇野慧は死ぬ前にわざわざ一度拭いた窓まで戻ってから落下したことに気づく。

その後、従業員など宇野と関わっていた人を訪ねて話を聞いてまわると、宇野は多額の負債を抱えていたことがわかった。さらに、とても人望の厚い人物だったことをうかがい知る。

その頃、蕪木は宇野の血中から睡眠薬にも含まれる成分を検出する。血中に含まれる量から考えて、宇野は大量の睡眠薬を飲んで自殺を図ったことが疑われた。

一方、実家の病院でアルバイトをしていた亮介(生田斗真)は、有名作家である桜井に興味を感じていた。
末期がんではあるが桜井の容体は安定していた。ところが、突然容体が急変、あっという間に死亡してしまう。

桜井の妻である瑠美子(麻生祐未)は、「一時帰宅できるほど安定していたのに、なぜ、急死したのか納得がいかない!」と、主治医・梅木(福井博章)に詰め寄っていた。
院長は「予想外に腸閉塞から腹膜炎を起こしたことが死因」と説明し、「病院の治療は適切だった」と説明する。

亮介は、ふとしたきっかけで桜井のカルテを確認すると、カルテが、途中から明らかに違う筆跡で書き込まれていることを発見した。

亮介が大学に戻ると、研究室に宇野の妻が訪ねてきた。妻は「夫は作業中の事故で亡くなった」と言い張り、自殺と判断した根拠を求める。
佐野教授は「宇野の血中から睡眠薬の成分が検出された」ことを明かし、「その濃度から、落下する直前に飲んだという状況証拠から、自殺と診断された」と、説明する。
すると妻は、「解剖によって自殺と判断され、死亡保険金が降りない。夫が借金返済のために自ら命を絶っていたとしたらその覚悟は無駄だったのか!」と泣きながら訴えた。

解剖真実が分かったことにより遺族が苦しむ事がある――ショックで落ち込む法医学ゼミ生たち。
その時、大己は「遺族を救うために、僕たちは法医学を始めたわけじゃないだろ」と言う。
そして、法医学は、遺族に喜んでもらうためではなく、亡くなった人の最後の声を繋ぐためにあるのではないかと、仲間に語りかけた。

大己・佳奈子(石原さとみ)・哲平(遠藤雄弥)・彰(佐藤智仁)は、手がかりを求めて、再び宇野の落下現場のビルの下で“亡くなった人の最後の声”を探していた。
そこに、宇野の息子(竹内寿)が花を供えに来る。

大己は息子と話をして、今まで謎が晴れる…。大己は、宇野慧が家族の思い出を胸に決死の覚悟で自殺を図ったことを推測したのだ。

大己は宇野慧の息子に、宇野慧は家族を思って決意をして自殺したことを話す。
そして「父親の死を無駄にするかしないかは、これからの君の生き方にかかっていると思う」と、息子を励ました…。


その頃、亮介は病院にいた瑠美子に声をかけていた。
病院の屋上で、「自分も桜井の死について疑いを感じている」瑠美子に話す亮介…。

そして、瑠美子に「桜井の遺体を解剖しないか」と、提案する。

亮介は、真実と向き合うことを決意していた…。




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キャスト
加地大己 / 瑛太(えいた)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
当初は心臓外科学ゼミを志望し、試験にも合格もしていたようだが、
なぜか法医学ゼミに所属している。
どうやら大学側の都合により配属が変わったようだ。
もちろん大己はこのことを不本意に感じている。
しかし、いざ法医学に触れてみると、社会が法医学を必要としていることを肌身で感じ、
その重要性と奥深さに魅了されていった。
鋭い洞察力の持ち主で、適職とも言える才能を発揮するが、本人にしてみればその自覚は全くない。
一方、私生活の方でも一見イケメン大学生なのだが、
本人が興味を持たない為、意外と女の子からの人気がない。
石末亮介 / 生田斗真(いくたとうま)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
この男、総合病院を経営する家庭に生まれた御曹司。
敷かれたレールに乗っていれば何不自由ない生活を送れるはずだった。
しかし、自分には荷が重いと感じ、父親が消化器内科医であることを無視して、
全く関係のない法医学ゼミに入ってしまった。
そんな彼も学校では人一倍明るいムードメーカー的存在。
とにかく女の子が大好きな男で暇があっては女の子に声をかけている。
なかでも玲子に憧れており、もっと仲良くなりたいといつも考えている。
大己とは昔からの親友で、互いが一番の良き理解者である。
久保秋佳奈子 / 石原さとみ(いしはらさとみ)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
大学内でもトップクラスの才能の持ち主で、脳神経外科学ゼミの教授からスカウトがあった。
しかし、彼女は当初から希望していた法医学ゼミに入ることに。
彼女が法医学にこだわるのにはハッキリとした理由があった。
その理由とは、幼少の頃に亡くした母の死因が心不全だと医師から告げられたことに対し、
その死因に未だに納得がいっていないからだった。
親を幼い頃に亡くしていることから、気が強くなんでもバリバリこなすしっかりものである。
唯一苦手なことといえば家事全般である。
夏井川玲子 / 矢田亜希子(やだあきこ)
東凛大学の助教授として法医学教室を担当している。
温和でのんびりな佐川の下についても自分のキャラクターは変えず、
はっきりと物を言う性格の持ち主である。
もちろんその姿勢は学生に対しても同じで、常に学生とはクールに接している。
大学教員の中でトップクラスの美人だがなぜか未だに独身。
佐川文彦 / 時任三郎(ときとうさぶろう)
東凛大学の教授として法医学教室を担当している。
法医学に対する情熱は人一倍あり、学生たちには法医学の必要性を常に訴えかけている。
「亡くなった人の声に耳を傾ける」の意義なんとかして学生に伝えたいと日々奮闘中。
しかしひとたび研究室を出ると、その性格はおっとりで常にマイペースなゆったりとした時間が流れている感じの男でもある。
今年の新規ゼミ生5人には密かに期待をしており、その中でも大己の才能には誰よりも注目している。
桐畑哲平 / 遠藤雄弥(えんどうゆうや)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
仙台の実家が歯科を経営していたことから、歯科の道に進むべく大学に進学したものの、
当時見ていた監察医の姿を描いた海外ドラマにハマり法医学の道へとシフト変更した変わり者。
今や“法医学オタク”と呼ばれるほどのこだわりを持ち24時間365日、法医学のことが頭から離れない。
しかしこう見えても意外と小心者で肝心な場面で逃げ腰になることも多い。
羽井彰 / 佐藤智仁(さとうともひと)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
医学部に合格するほどの頭を持ちながら、元暴走族のメンバーだったというイレギュラーな男。
過去に、羽井本人が関わっていない事件で犯人扱いされたが、その後の司法解剖の結果で羽井が無罪であることを証明された。
司法解剖の偉大さ気がついた羽井はこれを境に猛勉強を始め、医学の道を目指すこととなった。
そしてその努力が実り、今こうして医学部の学生として生活している。
元暴走族ということからやや気が荒いところもあるが、実は熱血家でアツいハートを持っている。
医学部での唯一の苦痛は『解剖研修』。
何度経験しても倒れそうになる。
大和田敏 / 山崎樹範(やまざきしげのり)
南府中署に勤務する刑事の男。
彼が担当する事件の中で、遺体から不審な点や異常個所が見つかった場合に佐川に司法解剖を頼んでいる。
一見、冷静沈着で優秀な刑事に見える男だが、なかなか結婚しない玲子に対して「オマエは結婚できない症候群だ」などとあるまじき発言をして周囲の反感を買っている。

石末貴之 / 名高達男(なだかたつお)
亮介の父親で、自身が経営する石末総合病院の院長を務めている。
将来、息子である亮介にこの病院を継がせようと考えていたが、その息子の反感を買い、
亮介はまさかの法医学ゼミに入ってしまった。
それでも貴之は何とかして後を継がせようとゼミを辞めるよう大学に圧力をかけ始めるのであった。
羽井鳳子 / 濱田マリ(はまだまり)
彰の母親で、普段は沖縄料理店「ちゅらちゃん」を営んでいる。
沖縄料理とはいうものの、メニューは自身の得意料理しか置かないというちょっと変わり者。
いつでも明るく、何に対しても首を突っ込まずにはいられない性格で店に集まる大己たちの会話に首を突っ込んではジャマ者扱いされている。

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