楽天が被災地を勇気付ける開幕戦勝利! 嶋基宏の劇的逆転弾に星野監督も男泣き!

【ロッテ 4-6 楽天 QVCマリンフィールド】
東日本大震災の影響で開幕が延期されていたプロ野球は12日､当初の予定より18日遅れで開幕した｡

本拠地･仙台が被災した楽天は､東京電力管内での4月のナイター自粛によりデーゲームでロッテと対戦｡
七回に選手会長の嶋基宏捕手が勝ち越し3ランを放ち､被災地を勇気付ける価値ある開幕戦勝利を飾った｡

東日本大震災発生以来､選手会長として誰よりも悩み､苦しんできた嶋が試合を決めた｡

同点の七回､2死一､三塁のチャンスで迎えた第3打席｡
嶋はここまで押さえ込まれてきたロッテ先発･成瀬の初球をフルスイング｡
打球は大歓声の中､楽天ファンの待つ左翼席に飛び込んだ｡

嶋は右手を高々と突き上げダイヤモンドを一周｡
ベンチ前で出迎えた星野監督と共に､
｢ヨッシャー!｣(スポーツ報知より)
と雄たけびを上げ､両手をぶつけた｡

開幕に先立ち､楽天の球団職員は18ヶ所の避難所にテレビとCSアンテナを設置｡
8日に鉄平外野手らが訪問した宮城･女川町の総合体育館では､約100人がテレビの前で声援を送っていたという｡

そのことを知る嶋はお立ち台で､
｢東北の皆さんと一緒に戦っているんで､その気持ちが打球に乗り移ったんだと思う｣(同)
とコメント｡
阪神の監督を務めていた2003年以来､2741日ぶりの公式戦勝利となった星野監督は､
｢夢を見ているような感じだった｡嶋の底力を見せてもらった｡6点なんてうちにしては天文学的な数字｡今日は選手が頼もしかった｣(同)
と震災にも屈しない選手達の姿に涙を見せた｡

なんとか開幕したプロ野球だが､依然として余震の不安は続いている｡
この日も試合中に地震が発生し､約2分間の中断を余儀なくされた｡
それでも嶋は､
｢やるからには野球に集中する｣(デイリースポーツより)
と力強く宣言｡
"がんばろう東北"の合言葉のもとに､勝ち続けることが被災地への最大のエールとなるだろう｡

(2011年4月13日)

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