37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜
[第11話]
06/19放送

「――寝癖」祐太(草なぎ剛)の髪に寝癖がついていたのを見たすず(ミムラ)が言葉を発する。喜ぶ祐太(草なぎ剛)や瑞希(水川あさみ)だったが、次の瞬間には容態が急変する。

担当医である森下(田辺誠一)が中心となり懸命の処置が施された。

「転院を進めようとした自分のせいだ」と自分を瑞希に、森下は「医者として今はまだ振り返るな」、相澤は「まだ泣いていい状況じゃないでしょ」と叱咤激励するが、容態が急変する前に瑞希に感謝の気持ちを伝えたすずの姿を思い出すと嗚咽が止まらない。

人工透析に切り替えて容態は安定するが、予断は許さない状態に変わりはなかった。

祐太はすずに付き添うが、やがて「患者さんが待っていますから」といつものように働き始める。

カンファレンスで、下田(八乙女光)は伊達の妻・由美恵から預かった手紙を佐伯教授(松平健)に手渡そうとした。ところが佐伯はそれを破り捨ててしまう。そしてその直後に佐伯は腹を抱えて倒れこんだ。


佐伯は末期の膵ガン。ステージWだった。佐伯の“教授代行”役を務めた森下医師は、素早く佐伯を処置すると厄介者払いのごとく特別病棟へと移すのだった。

森下医師は「佐伯に部長職は無理」と考え、早くも次の部長候補擁立を画策する。

祐太は、佐伯をひとりの患者として考え、彼を助ける事に専念する。その姿勢は瑞希や他の研修医にも伝わっていった。

祐太は末期癌の佐伯を助けるために、木島が試したリスクの高い薬の投与を検討する。しかし森下はそれを認めようとしない。森下は佐伯をホスピスに移すと言い出すが、それは本人や家族の意に反しているとして、今度は祐太が反対した。

祐太は、佐伯の病室を訪ねると、伊達からの手紙を佐伯に手渡す。祐太と話し、伊達の手紙を読んだ佐伯は、自分が医師を志そうとしたころの事を思い出すのだった。佐伯は「生きたい」と思うようになり、ハイリスクな薬での治療を受ける決意をする。

すずの病室を見舞った祐太は、佐伯が治療を受けることになったことを報告する。疲れて眠ってしまった祐太に、すずは「祐太さん」と言葉を発した。目覚めて驚く祐太に、すずは微笑むのだった…。

――それから2年後。

瑞希は病院で指導医となり、内科で“鬼の教官”と言われるほど厳しい姿勢で研修医の育成に力を注いでいた。

森下は中島のサポートを受けて教授に昇格していた。患者のことを考える教授となり、往診でもきちんと患者を診察、相澤たち看護師との情報交換も密に行っていた。

下田も小児科で子供の患者たちに好かれる医師になっていた。

佐伯も病気を克服し、現在は通院で治療を受けている。そしてカルテばかり見ている医師がいると「ちゃんと患者を見て診察しろ!」とダメ出しが飛び出すほど回復していた。

すずは――すずは助からなかった。今でも瑞希は彼女の墓参りを欠かさず行っている。

そして祐太は、大学病院を離れて別の病院へとやってきていた。その病院は、多忙な病院で、医師が患者をろくに見ないで診察するようなところだった。

しかし、祐太は変わらない。

困っている患者を見かけた祐太は「どうかされましたか」と声をかけると、「今日からこちらでお世話になります、紺野祐太です。よろしくお願いします」と言い、自分の名刺を手渡すのだった…。
≪終≫

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キャスト
紺野祐太 / 草なぎ剛(くさなぎつよし)
食品メーカーを30歳で辞め、医学部に入り・・・
沢村瑞希 / 水川あさみ(みずかわあさみ)
祐太と同期の研修医。医学部を主席で卒業し・・・
葛城すず / ミムラ(みむら)
祐太の恋人。祐太とは食品メーカーで出会っ・・・
森下和明 / 田辺誠一(たなべせいいち)
腎臓内科の権威。佐伯教授とは距離を置いて・・・
下田健太郎 / 八乙女光(やおとめひかる)
口達者で要領のいい研修医。一見チャラいが・・・

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