ハタチの恋人
[第10話]
12/16放送

河村由紀夫(塚本高史)の父親に会うはずの日、澤田ユリ(長澤まさみ)は井上圭祐(明石家さんま)が乗る大阪行きの新幹線に乗り込んでしまった。驚いた圭祐はユリに帰るように言うが、もう電車に乗ってしまっている。そんなとき、鈴木風太(森山リュウ/市村正親)はユリが行方不明になったことを電話で伝える。しかし、圭祐はユリの行方など知らないというが、風太は嘘を見破る。

大阪についた圭祐はユリを連れて、ビジネスホテルにいく。手続きをすませた圭祐は、ユリに鍵を渡すと、由紀夫に連絡するように言ってホテルを出た。帰り道、圭祐は澤田絵里(小泉今日子)に電話をし、「本当に娘じゃないのか?」と尋ねるが、絵里は答えない。

その頃、ユリも由紀夫に謝りの電話を入れたが、由紀夫は冷たく突き放す。
翌朝、ユリがノックの音で目を覚ますと、ハイテンションの圭祐が現れた。せっかく大阪に来たのだからと、今日一日だけ時間を止めて、楽しいことだけ考えて遊ぼうとユリに提案する。
そして、4時になったら東京に帰る約束をするのだった。大阪の名所を廻る2人の姿は、父と娘のようだった。

そして、約束の時間が来た。
東京に帰る前に、ユリは自分が圭祐の子供かどうか訪ねる。しかし、圭祐はエリに電話をし、「『絶対に違う』と言われた」ときっぱり言う。「よかった」と言いながらも、少し残念そうなユリ。そんなユリに、「ユリちゃんは変わったらあかんぞ」と圭祐が言うと、ユリは圭祐に走り寄り、耳元で「ありがとう。すきでした」とささやくのだった。

その後、新幹線に乗ったユリは東京に帰らず、エリの実家に戻る。そして、「あの人には会わないから安心して」と言いつつも、「お母さん、あの人のこと好きだったんでしょ?」と問う。するとエリは「そうだった時もあるけれど、よくわからない」と答え、ふたりで恋について話をする。

翌朝、ユリは改めて、美大の編入試験を受けて、もう少しだけデザインの勉強してもいい? と頼む。エリは「まだまだユリに仕送りしなきゃいけないってことは、がんばらなくちゃ」と微笑む。

一方、圭祐は妻の小百合(森下愛子)に謝っていた。大事な結婚指輪をなくしてしまったからだ。小百合は、「そのことは怒ってない。クリーニング屋さんが届けてくれた」といいつつ、「よそみされたら困る」という。そんな小百合に圭祐は営業を外されたこと、でも、まだ小百合や子供たちのために頑張らないといけないという話をした。

圭祐の最後の東京出張の日。仕事を終えたところで、風太から「メリークリスマス!」と明るい電話がかかってきた。いつものホテルに向かうと、圭祐は意外な事実を聞いた。ユリと由紀夫は付き合ってないというのだ。ユリが謝ったものの由紀夫が振った形になったらしい。

それを知った圭祐は、ユリと同じバイト先の中島(キムラ緑子)に頼み、ユリと由紀夫それぞれをクリスマスパーティに誘ってもらう。
ユリが指定された場所に行くと、そこには由紀夫がいた。そこで会わなかった間の話をし、2人は仲直りできえた。

遠くから、その様子を見ていた圭祐は「もう二度とあの子に会うことないんやろうな」とつぶやきつつ、安心して大阪に帰る。

そして、1年後。
教会での結婚式――なんと、風太と中島が結婚式をあげたのだ!
その結婚式には圭祐も出席をし、遅れて、ユリと由紀夫もやってきた。ユリは圭祐に、美術大学に入ったと報告し、さらに、由紀夫との結婚が決まったことも報告をする。ただし、実際の結婚は由紀夫が医大を卒業し、国家試験に合格して、医者になってからだというが。

そんなユリに、圭祐は、「いつかユリちゃんがウェディングドレス着てるとこみてみたいな。結婚式に呼んでくれませんか」と遠慮がちに言う。ユリは「いいですよ」と即答し、「その時は、一緒にバージンロード歩いてくださいね」と微笑んだ。
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キャスト
井上圭祐(いのうえけいすけ) / 明石家さんま(あかしやさんま)
明るさだけが取り柄の平凡なサラリーマン。妻(森下愛子)を愛し、家族も大切にするが、人生の半ばを過ぎたとき、心に隙間が生まれた。そんな時、東京出張にきた幼なじみの鈴木風太(市村正親)と再会。さらに、ひょんな事からハタチのユリ(長澤まさみ)と出会い、生きがいを失いかけていた人生が大きく変わっていく。
沢田ユリ(さわだゆり) / 長澤まさみ(ながさわまさみ)
グラフィックデザイナーになることを夢見ているハタチの専門学校生。決まりかけていた就職先に内定を取り消され、人生の崖っぷちに立たされる。ホテルでのアルバイト中に圭祐(明石家さんま)と出会う。男っぽくサバサバした性格のため、由紀夫(塚本高史)の気持ちにも全く気づかない鈍感娘。
河村由紀夫(かわむらゆきお) / 塚本高史(つかもとたかし)
数年前に大学を中退したが、カメラマンを目指し、ユリ(長澤まさみ)が通う専門学校に入学し、ユリと出会う。ユリの方は由紀夫の事を一番の親友と思って接している。由紀夫は何かとユリの行動に口出しするが、自分の思いをはっきりと伝えられないでいる。
ユリの母 / 小泉今日子(小泉今日子)
ユリ(長澤まさみ)の母。実家で美容院を個人経営している。東京で頑張っているユリを心配しながらも、応援している。

鈴木風太(森山リュウ) / 市村正親(いちむらまさちか)
森山リュウというペンネームで活躍するベストセラー作家で、超一流ホテルのスイートルームで執筆している。圭祐(明石家さんま)とは幼なじみだが、女好きで、優柔不断の圭祐とは正反対のタイプ。圭祐とユリ(長澤まさみ)の関係に興味津々。
コンビニ店員 / 恵俊彰(めぐみとしあき)
ユリ(長澤まさみ)が通うコンビニエンスストアの店員。ユリのファンで、生活が苦しい彼女に賞味期限切れのお弁当をタダであげてしまう気のいいおじさん。

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