ソチ五輪新種目にフィギュア団体戦!? "フィギュア大国"日本が抱える弱点とは!?

国際オリンピック委員会(IOC)は25日､メキシコのアカプルコで開いた理事会で2014年ソチ冬季五輪の新種目を審議し､フィギュアスケート団体を含む計10種目を採用する方針をまとめた｡
最終決定は来春となるが､もし採用が決まれば､男女シングルで世界トップレベルの選手を抱える"フィギュア大国"日本にとってはメダルが期待できる新種目となりそうだ｡

国際スケート連盟(ISU)は五輪でのフィギュア団体採用をアピールするため､昨年4月に第1回世界国別対抗戦を開催｡
男女各2選手とペア､アイスダンス各1組でチームを組み6カ国で争われた同大会で､日本は浅田真央､織田信成らを擁し銅メダルを獲得した｡

男女が各1選手になる以外は､五輪でも同大会と同じ方式が提案されているという団体戦｡

ソルトレークシティー五輪の代表だった竹内洋輔氏は､
｢1つのカテゴリーに特化した国は勝てない｡複数種目で強い日本がメダルを獲れる可能性は高いと思う｣(スポニチアネックスより)
と分析｡
女子のキム･ヨナしか有力選手がいない韓国や､ペアだけが強い中国といった国では上位進出は難しくなりそうだ｡

では､日本はどうだろうか｡
順当にいけば女子シングルは浅田､男子シングルは高橋大輔が代表に選ばれるだろう｡

アイスダンスは､バンクーバー五輪に出場し､先日のNHK杯でも7位に入ったリード姉弟が最有力｡
父がアメリカ人､母が日本人で日米両国の国籍を持つ二人は21･23歳と若く､今後の伸びしろは十分だ｡

そうなると､日本の唯一の弱点となりそうなのが､今年3月の世界選手権に代表すら送れなかったペアだろう｡
18歳の高橋成美がNHK杯で3位と健闘したが､ペアはカナダ人のマービン･トラン｡五輪に日本代表として出場することはできない｡

日本国内では男女ともシングルの強化が中心で､ペアが育つ環境には乏しい｡
日本スケート連盟の吉岡伸彦強化部長も､
｢五輪を考えるとペアがいない｡ペアをやる子も指導する人もいないし､どこで練習するかも問題｡簡単にはメダルは取れない｣(同)
との認識を示しており､新種目誕生の可能性を手放しでは喜べないようだ｡

浅田は､
｢凄くいいですね｡やってみても楽しそうだなと思う｣(同)
と新種目を歓迎したが､一人の力では限界があるのが団体戦｡
シングルの影に隠れ､これまで注目度の低かったペアの強化が急務となりそうだ｡

(2010年10月27日)

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