菊池雄星の変化にメジャースカウトがため息! ｢これがあのユーセーなのか?｣

6月にプロ初勝利を挙げ､8月以降は先発ローテーションの一角を担っている西武･菊池雄星投手｡
8日のロッテ戦では三回までに4失点したものの､粘りの投球で今季4勝目｡
試合後は､
｢4点取られても､7回まで投げられた｡今までだったらズルズルいっていた｣(ニッカンスポーツより)
と自身の成長を口にし､充実した表情を見せた｡

しかし､この試合を視察していた某メジャースカウトは､
｢これがあのユーセーなのか?｣(日刊ゲンダイより)
と落胆のため息をついたという｡

菊池といえば､花巻東時代は最速154キロの直球とキレのあるスライダーを武器にした本格派左腕｡
その才能はメジャーリーグからも高く評価されており､ドラフト直前にはメジャー8球団が面談のため来日したほどだ｡

そんな菊池だが､この日の最速は145キロ｡
与四球1と安定した制球を見せたが､スライダーやチェンジアップ､カットボールなどを織り交ぜ､"かわす"投球が目立った｡

前出のメジャースカウトは菊池に対し､
｢一体彼はどうしたんだ?MAX96マイル(約154キロ)のストレートはどこにいったんだ?
荒々しいフォームで投げる速球ピッチャーだったから､我々も注目していたのに｡今ではコントロール重視の変化球ピッチャーだ｡
それが悪いとは言わないが､少なくとも彼がこのままのスタイルでやっていくなら､私は興味を失うだろう｣(同)
とバッサリ｡
高校時代の輝きを知っているだけに､現在の菊池に物足りなさを感じているようだ｡

では､菊池自身は現在の投球スタイルに満足しているのだろうか｡

同紙では8日の試合後､菊池に対し､
｢今はスピードを捨てて制球重視の投球をしているのか?｣
と質問｡
すると､菊池は自らの考えをこう答えたという｡

｢そうですね｡力を入れて(直球を)投げても､簡単にはじき返されてしまうのが一軍｡でも､将来的には力で抑える投手になりたい｡もちろん150キロという数字を出したい気持ちは強いけど､現時点ではなるべく低めを突く投球を考えています｡
それに150キロって数字はいくら力んでも､なかなか出ない数字ですから｡それは今後出てくればいいです｡でも､いつかは出したいですね｣(同)

菊池は鳴り物入りで入団した昨季､シーズンの大半を左肩痛のリハビリに費やし､二軍でわずか2試合の登板に終わった｡
それだけに､今季はとにかく結果を残したいという思いが強いのかもしれない｡

ただ､菊池は高校時代からメジャー志向が強いことで知られている｡
いつかは力で抑える投手に成長し､メジャースカウトを見返してほしいものだ｡

(2011年9月18日)

その他のBASEBALLニュース