[訃報]俳優･佐藤慶さんが肺炎で死去!! ニヒルな悪役で多方面で活躍

多くの映画やテレビドラマで､存在感のある性格俳優として活躍していた佐藤慶さん(さとうけい=享年81)が､今月2日､肺炎のため東京都世田谷区の病院で死去した｡

佐藤さんは福島県会津若松市で生まれ､市役所に勤めながら演劇サークルで活動したあと､俳優を志して昭和27年に俳優座養成所に入所｡

大島監督｢青春残酷物語｣(60年)への出演をきっかけに｢日本の夜と霧｣｢絞死刑｣｢儀式｣など同監督作品には欠かせない俳優となった｡

その後､残虐なやくざの親分や冷酷なエリートといった悪役で存在感を発揮｡1965年には｢鬼婆｣でパナマ映画祭主演男優賞を獲得したほか､71年には｢儀式｣｢日本の悪霊｣でキネマ旬報主演男優賞に輝いた｡

昨年は中村雅俊主演作｢60歳のラブレター｣､藤原竜也主演作｢カイジ人生逆転ゲーム｣などに出演し､元気な姿を見せていた｡

俳優座で同期だった仲代達矢(なかだいたつや=77)は｢2､3歳年上であったこともあり､新劇とは何か､体制に反抗する精神とは何かを教えられた｡まさに兄貴のような存在だった｡本物志向の精神は､その後のわたしの俳優人生に強い影響を与えている｣と寂しい胸のうちを明かした｡

所属事務所によると､通夜と告別式は近親者だけですでにすませたという｡(松野)